第59号 - 最近ケアし始めたもの、気にかけるようになった存在ってある?
気にかけているものいっぱいあるし、気にかけられないものもあるよ
2025年9月17日(水)
小さく悩む
妙な時間に目が覚めた。明け方のひんやりした空気が寝汗のかいた肌を撫でる。遠のく記憶を辿ると、夢の中でも仕事をしている。頭を抱えながら永遠とデザイン検証。100、200と調整を重ねた先に見える居ごこちのよい瞬間。しんどいし、気づく人はほとんどいないかもしれない。けど嫌いじゃない。美は細部に宿り、細部が連なり全体となる。何事も細かく小さなものの連鎖が全体をつくる。小さく悩もう。それをたのしもう。寝起きの不快に解釈を差し込んで、いつもより少し早く布団から出る。
逃げ出さなかったことに拍手
少しずつ西日が陰ってくる教室で、脳みそが爆発しそうだった。プレゼン原稿を書くのを途中で諦めて、ひとまず頭の中にあることを英語に変換して話し切ろうと決めたのはいいけれど、普段そんなに使わない言語で1時間ちかく話し続けるのはそんなに容易いことじゃなかったね。卒業して10年、まさかゲストレクチャーで呼んでもらえることになるとは思ってなかった。準備中、何度も逃げ出したくなったけれど、とりあえずやりきった自分に拍手したい。伝えたいことは山ほどあるのにうまく言葉にできないもどかしさ。精進したい。
恋の話
深夜に友だちから電話がかかってきて、やっぱりまた恋の話だった。恋をしている人の話を聞くのはおもしろい。相手のことを信じたい気持ちと、疑ってしまう気持ちのなかで揺れ動いているらしい。友だちが傷つかないといいな、と思う。純真でいることは、愚かなことなのだろうか?と聞きながら考える。時計は2時をまわってさすがに眠たくなってきたので、おやすみーと言って電話を切る。
朝|真拓(諏訪から)
昼|大雅(秋田から)
夜|文月(松本から)
最近ケアし始めたもの、気にかけるようになった存在ってある?
ケアってよく聞くようになったよね。昨日、何かを読んでいたときに、これまでは愛によって人が救われるような作品が描かれてきたけれど、これからは主題が愛からケアに変わるのではないか、みたいなことを言ってる人がいて、ふーんってなった。
わたしが最近気にかけているものは、芽が出て葉っぱがつきはじめたアボガドの種、近所で生まれた子猫、右の奥歯(なんとなく痛む気がする)、書きかけの原稿、恋愛中の友だちです。
気にかけているものいっぱいある。もっと気にかけたいものもある。だけど、自分ひとりの気には限りがあるから、気にかけられないものもたくさんあるよ。何かを選ぶときには、選ばないものが決まっていくんだね。ちょっと残酷だよね。
ところで、さっき気には限りがあると書いたけど、本当にそうなのかな?愛には限りがないとどこかで聞いたことがあって、なんだかそんな気もするけど、実際のところはよくわからないよ。
あなたは自分の限界をどうやって見定めていますか?
書いた人|文月
あとがき
秋田は稲刈りが進み、少しずつ冬に向かっています。この秋は大忙しになりそうだけれど、今年も BOOK&WEEKEND FES を開催できそうです。大幅にパワーアップしているので、ぜひInstagramのアカウントを通じてチェック、気にかけてくれたらうれしいです。それに合わせて企画した「ひとりがみんなで本をつくる一ヶ月」も定員を超えて参加者が集まりました。いつもひとりごとを、ひとりごと出版の本を読んでくださる皆さんのおかげです、ありがとう!(大雅)




